整枝剪定(せいしせんてい)
美味しいりんごを作るには、どの枝にも効率よく日光を当てて多くの葉に栄養を作ってもらう必要があります。もちろん果実も光を必要としています。余分な枝を切り落とし、必要な場所に枝を配置し、日光が良く当たるよにバランスのよい樹を作っていきます。必要によっては、ロープで伸びるべき方向に誘引してあげます。
樹によっては私達人間と同じように一本一本個性があり性格を持っています。技術と経験、勘を働かせて行う、一人前になるのに10年も15年もかかるという熟練した職人技です。時間をかけて慎重に作り上げた樹は愛着もあり我が子のような存在です。
りんご作りは剪定に始まり剪定に終わると言われるほど一番大切な仕事です。
切り落とした枝をそのままにしておくと病害虫の温床になったり作業の邪魔になるため、広い面積と時間をかけて行います。
太い部分は自宅の風呂の燃料として使用致します。
りんごの若芽が出始め桜の花が開く頃品種更新をするため接木も行います。
花摘み 小袋掛け(陽光)
樹は前年に蓄えた栄養を使って花を咲かせ葉を作ります。必要な花だけに栄養が集まるように余分な花を摘んでいきます。およそ咲く花の40分の1程度に制限します。なるべく早い適度な花の数にしていく事が大切です。全部手作業です。
陽光にはサビ果を無くすために落果直後に小さな袋掛けを行います。
新世界には、ツル割れ果を防ぐために袋掛けを行います。
結実確保(けつじつかくほ)
りんごはほかの品種の花粉を受粉することで実がなります。
薬剤撒布(やくざいさんぷ) 開花前より9月中旬まで
りんごの樹は私達人間を同じように病気にもなれば怪我もします。花や葉、果実を食べる虫や、雨の多い年ほど最近による病気などが多発いたします。樹の健康を管理して美味しいりんごを採るために低濃度の安心できる薬剤を必要最低限撒布いたします。
草刈 除草剤撒布
畑に生える草は病害虫の温床になるばかりか、りんごの樹にとって土壌中の水分・栄養分の競合相手になるため、こまめに刈ります。さらに刈った草は有機質肥料として そのまま使えるため、有効な草を人工的に生やしては刈るということを収穫期まで繰り返します。樹の下など草刈をしづらい所には除草剤を撒布いたします。
摘果(てきか)
受粉した花は次第に大きくなっていきます。実を多くならせすぎると、実ひとつあたりの栄養が足りなくなり、そればかりか樹が弱まってしまい翌年の花の数が激減してしまいます。おおきなりんごを作るために適切な着実数に制限して余分なものを摘み取ります。
花摘みに引き続き早く終わらせることがポイントとなります。およそ葉60枚に果実1つとしますが、花摘みから通して咲いた花の50~70分の1程度となります。
夏期剪定(かきせんてい)
春からたくさんの枝が新しく生まれたり成長して伸びていますが、枝や葉が必要以上に繁茂すると、必要な場所に光が届かなくなったり病害虫の防除がしにくくなります。
そこで栄養が足りなくなったり、呼吸と光合成のバランスが不釣り合いになり効率の悪い樹になってしまいます。今年伸びた必要のない枝を切り落としたり、冬に行った剪定の調整をします。
果実が大きくなることで重みを増し、果実の重みで垂れ下がってきます。そうすると光を十分に受けることが出来なくなったり、ひどい場合には大きな太い枝でさえ裂けてしまうこともあります。そこで果実の重みを支えるために支柱を立てたり、細い枝であればロープで吊り上げたり全体的に垂れ下がるのを防ぎます。
着色管理・花摘み・玉まわし・反射シート敷き
りんごの果実は幼いころは鮮やかな緑色です。りんごの品種の多くは成熟すると共に赤くきれいな色がついてきます。1部には黄色の品種もありますが、日光を受けることが無ければ着色いたしません。そこで果実に直接触れている葉や日光のさまたげにな る葉を摘み取ります。一方向からしか光が届かない果実は全体に色がつくように果実を回して向きを変えてやります。
さらに、りんごのお尻のほうまで鮮やかに色がつくように日光を反射するシートを枝の下に敷きます。
当園で栽培面積の60%以上を占める「ふじ」という品種は成熟するのに日数を必要とする品種です。早い時期に雪が降ったり気温が氷点下になることがあります。凍ってしまうと食感・味覚が落ちてしまいます。
このバランスをみながらぎりぎりまで成熟を進め、凍ってしまう前に収穫をします。一つ一つ丁寧にもぎ取り大きさや着色の程度、キズの有無などを分別して涼しくて凍ることの無い倉庫に貯蔵します。
注文受付 出荷 10月~翌年1月
ありがたいことにおかげ様で多くの注文を頂戴しております。
荷作り出荷するための送り状を作成し出荷
また来年に良いりんごが実るように祈りを込めながら、蜜入りの良いりんごを作るために有機肥料を撒布します。